オハラブレイクは、落ち着いたフェスですね。湖の畔りで、森と緑に囲まれ、のんびりと音楽を聴きながら、普段の忙しい生活からつかの間、解放される、その感じが大好きです。オフィシャルが、寝そべって聞けるようなクッションみたいなものもそこここに置いてくれていて、タテに乗りまくる他のロックフェスとの違いも際立っています。その中、薄暮の時刻に藤原さくらの舞台が始まりました。
白を基調にした、可愛いワンピース、花柄、マーブルっぽい小さな柄は、緑と赤、彼女の新EPと次のリリースが予定されているEPを象徴したような模様です。それが、控えめに、でも、調和をもって幾何学的に並べられています。その衣装に包まれた彼女の立ち姿、とても、美しいです。この数年、彼女のステージを観続けてきましたが、さらに一回りしっかりしてきたな、と思います。
弾き語りの一人舞台。アルペジオの調べは、優しく、滑らかな指使いで、綺麗なトーンで音がカラフルに並ぶ、彼女の持ち味はそのままに、新たな技術も貪欲に吸収していますね。例えば、Sunny Day のカッティング(ブラッシング?っていうんだっけ???良く知りませんが)入れながら、歌うところなんて、少し、荒ぶる感じも出ていて、ファンでなくても、「おっ!」と思わせるところです。いいですね!
フェスの舞台ならではですが、Stevie Wonder の「Isn't she lovely」なんかも取り入れたセットリストは、彼女の珠玉の楽曲に彩りを添えます。途中、ハーモニカも取り入れた曲、可愛いです。モータウンもやっぱりいいですね。彼女の声、Stevie Wonder をやっても、また、別の味になりますね。俺が、彼女を好きだからって訳だけではなく、なんていうか、他とは違うユニークな存在感が際立つところですよね。I just call to say I love you, superstition, I wish, Don't you worry 'bout a thing なんかもいい感じが出るような気がしますね。Stevie Wonder をあんな感じで歌える日本人の女の子って、そう簡単にはもう出てこないでしょう。しっかり伸びていって欲しいですね。mabanua 氏のようなプロデュースも将来、自分でやりたいと語ることのある彼女ですが、10年であの域に達するのは、なかなかに壁は高いでしょうが、チャレンジする意味は大きいでしょう。その中で、自分の味っていうのを再確認して、再構成していって欲しいものです。いろいろな意味で期待しています。
途中、同じ事務所(アミューズ)の折坂さんとのデュオで、500マイル、Day Dream Believer も披露!Day Dream Believer は、タイマーズ(忌野清志郎さん)のアレンジバージョンに近かったように思いますね!いいノリです。折坂さんとの持ち味を考慮して、男女のパートを入れ替えたようなデュオも入っており、しっかりハモりも出ていました。上手くなったなぁ!たまにあーゆー音楽的な遊び、入れられるようになったのは、基礎的な努力を続けていて、余裕が出てきているからでしょう。このままいけるとこまで突き進むことを期待しています。
薄暮に始まった彼女の舞台も、終わり近くにはすっかり夜の闇に包まれ、そこここに並べられたキャンドルがGreen, Red, Blue, Yellow, White と彩り豊かに彼女に雰囲気を与えます。その中で鮮やかにフィナーレ、綺麗でした。彼女の歌に興味を持っている方々、一度、ぜひ、舞台を観にいってみてください。その経験は何者にも代え難い「何か」を与えてくれると思います。