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Faith Evans @ Billboard Live TOKYO(東京都)

2017/10/09 (月) 19:30開演

4年半ぶりに開催されたフェイス・エヴァンスの来日公演へ。ステージ中央前の2列目テーブルという絶好のポジションは迫力あるパフォーマンスの直撃を予感させてくれ、同行の知人とライブへの期待を語りながら開演までの時間を過ごしました。 場内の照明が落ちてラップ調のMCが客席を煽りはじめると、早くも総立ちとなった観客の熱狂は凄まじく、歓声に満たされた場内を彼女はゆっくりと歩いてステージへ。そして、1曲目の第一声から「これぞフェイス・エヴァンス」と言うべき、絶妙なグルーヴと感情のうねりが同居する唯一無二の歌声が。やっぱりこの人は歌声がズバ抜けているんです。一言でまとめれば「上手い」んだけど、ピアニッシモをか細くならないギリギリのラインで艶っぽさを保ち聴かせる反面、感情むき出しのシャウトは迫力満点でこちらがたじろぐほど。そして双方において魅力的なビブラートが効いているんだよね。さらにマイクアレンジが歌声を最大限に生かすべくエコーなどが一切排除されているんですから、今夜は音響さんもグッジョブです。 背後のスクリーンに終始映された代表曲のMV。それとクロスオーバーしながら舞台上で歌う彼女は、見た目こそ変われど歌声や佇まいは人を魅了する輝きを増していました。観客を次々とステージへ招いてフレンドリーなフィナーレとなったアンコールも、かつてのトラブルから立ち直った彼女の現在と捉えることができて嬉しかったなぁ。公演後には観客の私物を預ってサインを書いてくれるファンサービスもあり、様々な面で高い満足度を提供してくれた濃密な時間に「ぜひ次回も」と思わずにはいられませんでした。

台湾の3人組バンド「宇宙人(Cosmos People)」の来日公演へ。元映画館だった会場内は日本と台湾のファンでぎっしりと埋まり、開演前から大いに盛り上がりそうな予感がします。 今夜はこれまでの代表曲と11月に発売する新アルバムからセットリストが組まれました。十八番である優しいメロディや哀愁を帯びたヴォーカルは変わらず魅力的でしたが、サポートメンバーのドラムやロック色を強めたギターアレンジのおかげで、それらはCDで聴く音と異なりかなり力強い印象に。異なるアレンジにおいても際立つのは彼らが作る楽曲センスの良さで、シンプルな音で紡がれる曲は聴いてすぐに鼻歌でリピートできるほど耳馴染みが良く、聴くシチュエーションを選びません。そしてしっかりと聴く者の感情に訴えかけて起伏を促します。その音楽を一言でまとめるなら「シティポップ」ってことになるのかな。 進行上思いがけず、阿奎(台湾華語)と小玉(英語)のトークを方Qが日本語に通訳する恰好になってしまったMCは、手に書いたカンペを方Qが何度も見返す姿が滑稽だったり、曲紹介の順番を間違えたりと場内の笑いを誘い、ステージと客席との距離を縮める一助に。欧米や韓国勢のアーティストと比べると会場がまだまだ小規模であると言わざるを得ませんが、彼らのポップな楽曲は国を問わず多くの人々に支持されると思うので、もっと日本で売れてもらいたいし、また楽しいライブを開催してほしいです。無欲で出かけたライブでしたが、大きな満足感を得て渋谷の街を後にしました。

Jamiroquai @ Jamiroquai -Japan Tour 2017-

2017/09/16 (土) 18:00出演 @ 日本武道館(東京都)

オープニングの"Shake It On"からアンコールまで、武道館のアリーナ、1階、2階を埋めた観衆は終始総立ち。弾けるようなアレンジを施された各曲はCDで聴くよりもダンサンブルで、バンドの演奏はそれぞれの音が粒立ちながらも、絶妙なリズムのうねりは理屈抜きに気分を高揚させてくれます。特にギターのカッティングがとても気持ち良くて、個性的なヴォーカリスト Jay Kay に注目しがちですが、実は並外れた力量を持つバンドこそがこのグループを支えているのだと改めて認識できます。 「この星に核兵器なんて絶対にいらない」と、タイムリーな MC で社会派の一面を見せたかと思えば、コミカルなダンスをしながらのステージングで観客を魅了する Jay Kay の圧倒的な存在感はもちろん健在。今夜のアンコールでは"Virtual Insanity"の演奏後、「もう1曲聴くかい?」なんて嬉しいサプライズもあり、前日にはプレイされなかった"Supersonic"で凄まじい盛り上がりとなった終幕に、興奮がしばらく収まりませんでした。 Jay Kay の体調不良で中止となった5月の公演、前夜に行われたリベンジ公演とことごとく仕事が重なり、一度は観ることを諦めたジャミロクワイでしたが、今夜の追加公演が決まってくれて本当に良かった。座席運良くステージから8列目で極上のグルーヴを余すところなく堪能し、結果として今年もっとも踊り倒したライブになったのですから。そして、追加公演のみブッキングのオープニングアクトが Nulbarich だなんて、これまた贅沢な話だよね。

先月、幕張で開催されたアリアナ・グランデ来日公演でオープニングアクトに抜擢され、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれた「リトグリ」こと Little Glee Monster。彼女たちのヴォーカルハーモニーをもう一度聴きたくて、さいたま市で行われた単独公演へ行ってきました。 ヒットチューンのポップソングのみならず、ソウルやゴスペルをベースにした楽曲も高い歌唱力で聴かせる彼女たち。メンバー全員がまだ10代と若く、その歌詞も同年代が共感できる内容を綴っているとあって、場内はティーンとおぼしき男女で埋め尽くされました。学校の制服姿で来た人たちも数多く見られ、すでに多くの人気を獲得したアーティストであることがわかります。 ライブの始まりは、アカペラを強調したパフォーマンスから。各メンバーが持つ歌唱スキルと鍛えられたハーモニーは、小手先のテクニックに溺れず、正攻法で客席にぶつけられ、無条件に私の体を揺らしてくれます。前座であったが故、あらかじめ録音された演奏が用意されていた幕張のステージとは違い、今夜は6人編成のバンドがしっかり軸となる音を支えており、圧倒的に高まった迫力や臨場感によって、同じアーティストのパフォーマンスを聴いているとは思えません。 もちろん彼女たちはまだ若く、奏でられるハーモニーは懐の深さや色彩感などにおいて未完成。表現力には伸びしろがあると感じましたが、弾けるような躍動感は弱点を上回る魅力にあふれていて、現時点での仕上がりは既にプロフェッショナルのそれ。楽しそうにハイトーンで歌いあげるその姿に、私は思わず "Jackson5" を重ね合わせてしまった、と言っては褒め過ぎでしょうか。 その一方、可愛らしい関西訛りのMCは「最近、西友PB商品の厚切り食パンにハマってる」とか、「お気に入りのライブDVDが見たくて、早く家に帰るようになった」等々、まるで学校帰りのファーストフード店で5人がお喋りしているかのよう。数分前まで、素晴らしい歌を堂々と披露していた姿とのギャップに、場内が笑いに包まれる場面も数多くありました。 そして、「大宮はプレデビューのイベントを初めて行った地で思い入れがあり、成長して戻ってくることができて嬉しい」とも。メジャーデビューからわずか3年、過去のライブ映像と比較すると、大きく成長したことがハッキリとわかる彼女たち。これからもその歩みを止めることなく、素晴らしいパフォーマンスを多くの人たちに届けてほしいな。

Take 6 @ Billboard Live TOKYO(東京都)

2017/08/29 (火) 19:00開演

結成以来、ヴォーカルハーモニーの頂点に君臨する"Take 6"。1990年以来の参戦となる私を、理屈抜きでハッピーな気分にさせてくれました。 意外にも力強いビートに導かれ、ラップしながら登場した6人は挨拶代わりよろしく、ストリート感覚のコール&レスポンスを客席に仕掛けてきます。躍動感をほとばしらせながらも、色彩感豊かなコーラスと深みのあるリードが絶妙に絡み合いながら会場に充ち、心地よいグルーヴが私の身体を揺らしてくれました。彼らの美しいハーモニーに浸りながら、ああ至福の時間が過ぎていきます。 やがて、プログラムが進行していくと彼らの声にも“熱気”が滲み、それに呼応するかのように観客の反応も鋭くなり、多くの人が手を叩き、足を鳴らしてリズムを重ね合わせます。中盤にはギターやピアノの演奏も交えながら、しっとりとしたナンバーを並べたものの、終盤には再びヒューマン・ビート・ボックスさながらのリズムやスクラッチ・ノイズを表現しながら、じつに多様な魅力をたたえたステージは名残惜しくも最終章へ。 アンコールではマイクをそっとフロアーに置く6人。披露された"Allelula"は、美しく繊細なナマ声によるハーモニー。その素晴らしさたるや、歌い終えた直後に客席の四方から多くの溜め息が漏れ、一拍置いて万雷の拍手が場内を包むという感動的なフィナーレを演出してくれました。 期待を大きく上回る、そして限りなく麗しいとびきりのコーラス。いつの日か、いやすぐにでも、そのパフォーマンスに再びどっぷりと浸りたいですね。

Ariana Grande @ Ariana Grande Dangerous Woman Tour

2017/08/13 (日) 17:00出演 @ 幕張メッセ 国際展示場 1~4ホール(千葉県)

照明が落ち、10分前からのカウントダウン映像が始まるとすぐに大歓声が。アリアナの登場でそれは更に勢いを増し、凄まじい盛り上がりの中での幕開けです。実際にパフォーマンスを目の当たりにして、驚いたことは彼女の歌唱力。とにかくウマい。そして力強い。圧倒的な声量に、よく伸びる高音と独特の揺らぎをみせる低音。その素晴らしさは、比肩する歌姫たちをすぐに思い浮かべることができないほど。開演前にアイドル的なステージを予想し、チャートを賑わしたアップテンポの曲々で適当に盛り上がろうと目論んだ私でしたが、極上の響きを持つ歌声がミディアムスローの電子音と交わり醸す心地良さにすっかりヤラれ、中盤以降はのんびり気持ちよく体を揺らしておりました。 ダンサーを引き連れてのパフォーマンスは体力の消耗が激しく、他アーティストのライブでは、声の劣化を露呈しないためのリップシンク(口パクねw)にガッカリさせられたことが一度や二度ではありません。しかし、彼女のステージングときたら最後まで「ナマの歌声で勝負」なのです。さすがにライブ終盤では低音域の声に疲れが見えましたが、高音の魅力はついに失われることがなく、この日会場に足を運んだ人たちはたっぷり素晴らしいパフォーマンスを堪能できたのではないでしょうか。 このようなプロフェッショナルとしての高い精神性を見せつける一方で、「トーキョー、ダイスキー」「オゲンキデスカ、タノシンデマスカ?」「ツヅイテノウタハ"Sometimes"、シッテイマスカ?」等々の愛らしい日本語MCはキュートな魅力にあふれており、近年の流行である「セクシー」一辺倒ではない新たなアイコンとして、しばらくは彼女、日本での人気は揺るぎないように思えます。 今回の来日公演では、透明なバッグ以外の持ち込みが禁じられ、入場時には金属探知機によるボディチェックが行われました。場内で携帯電話を見るために立ち止まっただけで、スタッフから声をかけられることも。これらの厳重すぎる警戒対応には、賛否両論あると思います。しかし少なくとも、素晴らしい決断であると私は拍手を贈りたいな。爆弾テロの発生したマンチェスター公演後からセットリストに加えられた "Over The Rainbow"。この曲に込めたアリアナたちの思いが、すべての世界に届きますように。どうか大好きな音楽が、理不尽な暴力に屈することがありませんように。

2002年以来、来日公演はなんと15年ぶり。ステージに接したプレミアム指定席を奮発して、ブリトニー・スピアーズのパフォーマンスを堪能してきました。各方面で賞賛されているラスベガスの常設公演と同じ演出を観られる今夜のライブは、世界最高峰のアメリカンショービズの現在進行形を体感させてくれた、本当に満足できるものでした。 まず、舞台への施しが豪華なことこの上ない。 左右に設置された螺旋階段とその階上で演奏を行う楽器隊のセットは固定されていましたが、背後の巨大スクリーンとプロジェクションマッピングを駆使した映像によって、1曲ごとに異なったシーンが、まるでセットチェンジしたかのように舞台上に出現。複雑なパターンのレーザー光線が会場内を飛び交ったかと思えば、男女12名のダンサーたちがシーンに合わせた様々な小道具(棒状の発光LEDや、蝶が羽を広げたような衣装など)を用いながら、アクロバティック且つキレのよいダンスを次々と繰り広げ、一瞬にして私を現実世界から連れ去ってくれる一方で、"Freakshow" では客席から1名を舞台上に招いて四つん這いにさせ、そのお尻にブリトニーがムチをヒットするというコミカルな演出も。硬軟織り交ぜた展開には一分の隙すら見当たりません。 そして、尋常ではないブリトニーの存在感。 ライブ用にアレンジされた数々のヒット曲をセクシーな衣装を纏って歌い踊る姿は、スーパースター特有のオーラをこれでもかと発散しており、公演中の約90分間、そのパフォーマンスから全く目が離せません。衣装替えを除けば演出上のパフォーマンスは常時披露されていた印象で、それらを可能にする彼女のフィジカルに驚くとともに、日頃の厳しいトレーニングや節制が想像できて、プロフェッショナルの凄みを感じずにはいられませんでした。 唯一のマイナスポイントはリップシンク(口パクねw)を多用していたことでしたが、不本意ながら事前に予想できたことだったため、ライブの総合評価を貶めるには至らず、終演後は、満ち足りた気持ちで会場を後に。こういうエンターテイメントの完成度において、まだまだアメリカの牙城は揺るぎそうにないですね。久しぶりにラスベガスへ行きたくなった、水無月の夜でした。

チケットはVIPスタンディングを奮発し、最前列を陣取った今夜のライブ。定刻通りに照明が落ちると、観客で埋め尽くされた場内には嬌声があふれました。ほとんどの声は入場者の7割を占めた女性たちのもので、メアリーの登場によってそれは更に熱狂の度合いを増し、私の興奮もオープニングで早くも沸点へ。 序盤は楽曲をメドレー風に聴かせる構成で、新作からのシングル"Love Yourself"から軽快なアップテンポの "Just Fine"、"The One" へと続いていきます。ショーの終盤に配置してもよさそうなヒット曲の数々に、私の体は早くももう揺れまくり。シンプルな7人編成(Guitar、Bass、Keyboards、Drums、Backing Vocals×3)のバックが紡ぐ音もグルーヴ感を存分にたたえており、本当に気持ちイイことこの上ないのですが、本当のハイライトはメアリーが衣装替えをした中盤以降に訪れました。 彼女が情感豊かに歌う名曲をじっくり聴かせる構成になっていたのですが、歌自体はもちろんのこと、歌う姿までもが圧倒的な迫力に満ち、私は歓声を忘れるほど心を鷲づかみにされてしまったのです。メアリーの曲って、彼女の生き様を反映した歌詞が多いことで広く知られていて、今夜のMCでもそれらについて話していたけど、激情をぶつけるとでも言おうか、自分の内なる感情をすべてさらけ出すそれらの歌は、真実のみが持つ誰も抗えない説得力がみなぎっていて、涙を流しながら聴き入っている方が周囲に何人もいたほどでした。 ハイタッチやハグなどではなく、熱量と純度の高いパフォーマンスこそが最高のファンサービスなのだと再認識させられた、これぞショービズ最高峰のライブパフォーマンス。こんなもん見せつけられたら、終演する頃には魂を抜かれて放心状態ですよ。興奮が冷めるまでにはまだ時間がかかりそうで、今夜は眠るのに苦労しそうです。

Coldplay @ COLDPLAY『A HEAD FULL OF DREAMS TOUR』

2017/04/19 (水) 19:10出演 @ 東京ドーム(東京都)

Coldplayのライブを観るのは2009年の来日公演以来。そのキャリアは当時よりますます輝かしいものに上書きされていて、今夜のパフォーマンスにも当然ながら期待が高まります。いざ入場すると、さっそくスタッフから発光型のリストバンドが手渡されました。5万人規模の光で埋めつくされる場内がどのような景色になるのか。2年前の「ポール・マッカートニー武道館公演」でこの演出に大いに感動した私は、自らの想像に興奮し、座席へ向かう足取りもつい早歩きに。ライトポール際の内野席はステージの右真横に位置し、主催者より「一部演出が見えづらい」との注釈がありましたが、全く問題無いですね。 オ-プニングは唐突に。照明が落ちないままMaria Callasが歌う"O mio babbino caro"が流れ、場内に荘厳な空気感が漂ったところで、今回のツアーで彼らが巡ってきた国々の地図と、カウントダウンの数字が巨大なスクリーンに映されます。そして、次第に大きくなる観衆の大歓声がゼロを数えたところで場内が暗転するという、なんともドラマチックな幕開けでした。 最新アルバムの名を冠したワールド・ツアーとあって、24曲中6曲はここからチョイスされていましたが、彼らの代表曲が万遍なく披露され、壮大なスケール感を持つ彼らの楽曲が巨大な会場に大きく広がっていく様が、本当に心地良く体全体を包み込んでくれるかのよう。ストリングス1本を弾いたときに鳴る音一つを聴いても、「これぞコールドプレイ」って音が随所に散りばめられていて、期待していたパフォーマンスを存分に堪能できました。ここに「光の洪水」とでも言うべき視覚面の演出が加わって、非日常の世界へ2時間もトリップさせられるのですから、終演後も現実世界に戻るまでには時間を要してしまいますよね。 そんな隙のない構成において、唯一大笑いしたのが新曲"All I Can Think About Is You"でのハプニング。歌い出しの際、なんとクリスがサブステージからマイクを持ってくるのを忘れてしまい、まさかのやり直しに。「これはシンガーにとってありえない、お願いだからYoutubeにあげないでー」って、焦っている姿は滑稽ながらもラブリーでした。 荒々しさとは無縁のロックを長年に渡って研ぎすましてきた彼ら。その集大成を余すところなく披露して、1夜限りの来日公演は幕を閉じました。これからも進化する音を私たちに届けてくれることでしょう。大いに期待しています。

Guns N' Roses @ Guns N' Roses JAPAN TOUR 2017

2017/01/28 (土) 19:35出演 @ さいたまスーパーアリーナ(埼玉県)

まさに、奇跡の復活。私の欲したことすべてを叶えてくれたライブでした。 1990年代末の事実上の解散以降、アクセル・ローズの単独プロジェクトと化していた Guns N' Roses が、アクセルとスラッシュ、ダフ・マッケイガンのオリジナルメンバー3人が一堂に会したワールド・ツアーを開始したのが昨年のこと。訴訟問題にまで発展し、絶対ありえないと言われていた再集結がついに実現したのだから、本当に素晴らしいことだよね。日本公演は '93年の東京ドーム以来とあって、この歴史的ライブを観るために集まった人々の熱気で、最寄駅を含む会場周辺は普段と異なった雰囲気に染まっていました。 スタンディングを嫌って選んだ座席指定のSS席がアリーナ座席の8列目という幸運に恵まれ、ステージ上のパフォーマンスも肉眼でしっかりと堪能できます。前座と呼ぶには贅沢な Man With A Mission の演奏によって、盛り上がるための準備はいよいよ万端に。かつては開演時刻の遅延が取り沙汰されることの多かった彼ら故に一抹の不安を覚えるも、そんな不安を良い意味で裏切って場内照明は暗転。充満する観衆の熱狂が一気に弾けて、待ちに待ったオープニングです。 ステージ中央にアクセル、その左右にダフとスラッシュが並ぶという景観だけでも興奮を抑えられないのですが、そこで繰り広げられたパフォーマンスは懐かしいだけでなく、現在進行形の Guns N' Roses が、誰も観たことのない光景を目の前で繰り広げているんだから、興奮しない者などいるはずがない。彼らの歌声とギター、ベースの音がひとつになった時に生まれるグルーヴの快感とエネルギーの破壊力は爆発と呼ぶべき代物であり、私の聴きたかった「ガンズ」の音を存分に浴びることができました。興奮が高まり続けた2時間30分、大観衆で歌った "Knockin' On Heaven's Door" は、今後絶対に忘れることはないのだろうな。

4年前の初参戦から6回目となる彼女たちのライブ。今夜は1階4列目、中央からやや左側と座席運に恵まれて、鍵盤の上で跳ねまわる彼女の両手を常に視界にとらえながら、世界最高峰の演奏を堪能してきました。 ベーシストとしてトリオの一翼を担うアンソニー・ジャクソンが病気療養のため、そのポジションの代役としてアドリアン・フェローの名前が既に発表されており、主催者からチケットの購入者へ、無手数料での払戻告知があったことも知っていましたが、「新編成のトリオがどのような音を奏でるのか」という興味のほうが遥かに勝っていた私にとって、その情報はネガティブなものにはなりませんでした。 たしかに、1曲目からその音は違いが明らかで、聴き慣れたものではありません。 野性的で大胆なアンソニーに対し、アドリアンのそれはシャープかつ細やかであり、基本とする3フィンガーから4フィンガーへシフトしたりと、指弾きを極めた超絶技巧を駆使するテクニカルな印象。その音はトリオの調和にも大きく影響を及ぼしているのですが、決して魅力を損なう違いではなく、新鮮な感動がじんわりと私の中で広がってきます。 加えて、サイモン・フィリップスのドラムは、今宵もツインで配置したバスドラが大きく響き、「スパンッ、スパンッ」とタイトでキレの良い「ロックな」音を聴かせてくれます。その出来の良さは、彼の名を呼ぶ声援がいつにもまして多かったことで、証明されているんじゃなかろうか。 そしてお待ちかね、上原ひろみのピアノです。 そのあまりに凄まじい演奏については、言葉で表現することが陳腐に思えるため、今回も記載は割愛させていただきますが、このツアーでメインに演奏される最新作 "SPARK" が今春の発売後間もなく、全米Billboardのジャズ・チャートにおいて初登場1位を獲得したことで、その名声はより揺るぎないものに。(お気に入りのアーティストが多くの人に受け入れられていくのを見るのはホント嬉しいね) さらに久しぶりにライブで聴いた "MOVE" が尋常ではないキレ具合! もう、気持ちイイったらw 新作を発表するたびに収録曲は構成の複雑さを極め、「これらをライブで演奏するのは難しいのでは」 と心配させてくれますが、毎回その予想を大きく覆してくるんだよなあ、このトリオは。必ずや大きな感動を与えてくれる彼女たちのライブ。たくさんの人たちが、終演後にその興奮を抑えきれない様子で会場を後にする光景も、もはや当たり前のものになりました。 演奏だけでなく、  ・アドリアンは「すしざんまい」が大好きで、その社長のモノマネが得意であるw   (メンバー紹介の際、「すしざんまいっ」って掛け声がかかってたww)  ・メンバー3人の楽器はそれぞれ日本で作られていて、日本の技術ってスゴイ!   (ピアノ=YAMAHA、ドラム=TAMA、ベース=Ken Smith)  ・今年のツアーでは初めて世界5大陸を一気に廻った。  ・体調不良でメンバーが次々に離脱した夏、たくさんの支えを受けたことへの感謝。 なんてMCもあって、曲間の程よいブレイクタイムに。 早くも次回参戦への期待で、ニヤけた表情になってしまいそうですw 「次回」がいつになるのかはわかりませんが、そのとき私は間違いなく、彼女たちの演奏に再び酔いしれていることでしょう。

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