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ひらりさんのレビュー
2002年以来、来日公演はなんと15年ぶり。ステージに接したプレミアム指定席を奮発して、ブリトニー・スピアーズのパフォーマンスを堪能してきました。各方面で賞賛されているラスベガスの常設公演と同じ演出を観られる今夜のライブは、世界最高峰のアメリカンショービズの現在進行形を体感させてくれた、本当に満足できるものでした。
まず、舞台への施しが豪華なことこの上ない。
左右に設置された螺旋階段とその階上で演奏を行う楽器隊のセットは固定されていましたが、背後の巨大スクリーンとプロジェクションマッピングを駆使した映像によって、1曲ごとに異なったシーンが、まるでセットチェンジしたかのように舞台上に出現。複雑なパターンのレーザー光線が会場内を飛び交ったかと思えば、男女12名のダンサーたちがシーンに合わせた様々な小道具(棒状の発光LEDや、蝶が羽を広げたような衣装など)を用いながら、アクロバティック且つキレのよいダンスを次々と繰り広げ、一瞬にして私を現実世界から連れ去ってくれる一方で、"Freakshow" では客席から1名を舞台上に招いて四つん這いにさせ、そのお尻にブリトニーがムチをヒットするというコミカルな演出も。硬軟織り交ぜた展開には一分の隙すら見当たりません。
そして、尋常ではないブリトニーの存在感。
ライブ用にアレンジされた数々のヒット曲をセクシーな衣装を纏って歌い踊る姿は、スーパースター特有のオーラをこれでもかと発散しており、公演中の約90分間、そのパフォーマンスから全く目が離せません。衣装替えを除けば演出上のパフォーマンスは常時披露されていた印象で、それらを可能にする彼女のフィジカルに驚くとともに、日頃の厳しいトレーニングや節制が想像できて、プロフェッショナルの凄みを感じずにはいられませんでした。
唯一のマイナスポイントはリップシンク(口パクねw)を多用していたことでしたが、不本意ながら事前に予想できたことだったため、ライブの総合評価を貶めるには至らず、終演後は、満ち足りた気持ちで会場を後に。こういうエンターテイメントの完成度において、まだまだアメリカの牙城は揺るぎそうにないですね。久しぶりにラスベガスへ行きたくなった、水無月の夜でした。
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- 2020/10/25 (日) 00:34
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