INTERVIEW
「遠くからでもみんなに見つけてもらえるように!」ラックライフが最新ミニ・アルバム『Unbreakable』とともに今一度、掲げる理想像
ライブの動員を増やしながら順調に活動を続けてきたラックライフに突然訪れた大きな転機。メンタルがズタボロになるほどの試練だったというその転機を乗り越え、最新ミニ・アルバムのタイトルで『Unbreakable』と謳えるまでになるには、葛藤を含め、大きな気持ちの揺れがあったという。2部構成でお届けする今回のインタビュー。前半は全曲の作詞・作曲を手掛けるフロントマン、PONに『Unbreakable』の全6曲がこれまで以上に赤裸々になった理由を語ってもらい、後半ではメンバー全員にその『Unbreakable』をひっさげ、全8公演を開催するリリース・ツアー「ラックライフ TOUR 2020 Raise The Flag」の意気込みを訊いた。
この1年振り返ってみたら、不安になることも多くて、なんかズタボロやな、みたいな(笑)
それぞれに異なる魅力を持った全6曲が収録されている今回の『Unbreakable』、すごく良いですね!
PON(Vo/Gt):良かった。うれしい。
リード曲の「理想像」をはじめ、バンドのスケールアップを感じさせながら、歌がどの曲も赤裸々で。
PON:確かに、それはあるかもしれないですね。
だからなのか、胸を打つものがあって。タイアップがなかったこともあって、今回は思う存分、自分の思いを込められたんじゃないですか?
PON:そうですね。でも、まぁ、タイアップがあろうと、なかろうと、いつも変わらないと言うか、結局は、いつも自分のことばかり歌ってきたので、もはや逆にタイアップいうか、もしかしたらお題がないと難しいところはあるかもしれないですね。
じゃあ、今回の6曲の曲作りは……。
PON:大変でした。事務所を移籍して、第1弾のミニ・アルバムということもあって、どういうイメージでいこうかと言うか、まずリード曲が全然決まらなくて。リード曲候補として、たくさん書いたんですけど、「これだ!」と思えるものがなかなかできなくて、最終的に「理想像」になったんですけど、元々、「理想像」は収録候補曲の中の1曲だったんです。
じゃあ、最初、「理想像」はリード曲と考えてはいなかったわけですか。
PON:ドラムのLOVE大石は、「これ、めっちゃいいと思う!」って推してたんですけど、華やかさよりも泥臭さが際立っていると言うか、「バンド!」って印象の曲だなと思っていたので、リード曲としてはどうなんやろなって、逆に華やかな曲をイメージしながら曲を書いているうちに迷ってしまって。そんな時、改めて「理想像」を聴いたら、すげえパワーが感じられたんです。事務所を含め、環境がいろいろ変わった中で出すミニ・アルバムのリード曲として、原点回帰じゃないですけど、でも、新しい風味もありつつ、こういう曲を掲げるのはパンチがあるんじゃないかってことで、「理想像」でいこうとなりました。だから、歌詞も、自分たちのこれからを歌っている。この1年振り返ってみたら、不安になることも多くて、なんかズタボロやな、みたいな(笑)。そういう歌がいっぱいできちゃったなぁっていう中で、傷だらけになりながらも歌うことは全然変わらへんし、結局、自分たちの歌うその先には誰かがいて、その誰かが元気になれるように歌を歌いなっていうのが根底にはあるので、そこに原点回帰すると言うか、ずっとやってきたことではあるんですけど、改めて掲げようじゃないかって。
「理想像」がリード曲になって、僕は良かったと思います。今。このタイミングで、さっきおっしゃったように「バンド!」って感じのラックライフにまた出会えたのはうれしかったです。
PON:ありがとうございます。
この1年、ズタボロだったとおっしゃったんですけど、何がそんなに不安だったんですか?
PON:インディーの時からずっと二人三脚の気持ちでやってきたマネージャーが前の事務所を辞めてしまったからなんですけど。その時、「どうするんやろ? 自分たち」って思ったんです。今までお世話になった事務所でこのままやって行くのか、それとも自分たちでやっていくのか。「どうするのがベストなんやろう?」ってそこまでの気持ちの揺れがすごくて。だって、人生かかっているわけじゃないですか。すごく自分たち的には葛藤があったし、インディーの時から所属していた前の事務所を離れるって勇気の要る決断やったし。でも、自分たちはずっとやってきたマネージャーとこれからも一緒に夢を追い続けたいって思って、マネージャーがいる今の事務所に移籍して、新たにやっていこうって。言ってみれば、人生の岐路に立たされて、自分たちは一番のチャレンジを選択した。自分たち的には一番らしい決断ができたとも思っていて。今はもうやるしかないという気持ちです。だから、そういう決意表明の1枚ですよね、『Unbreakable』は。
「理想像」はそんな決断にふさわしい曲になっていると思うのですが、改めてリード曲にするにあたって、アレンジを変えたところはあるんですか?
PON:アレンジは変えてないです。それよりも歌詞ですね。リード曲に決まってから、どんなことを歌おうか考えたんですけど、今の事務所のボスと喋ってたら、すごく生き生きした顔で、「旗を掲げるんだよ! ラックライフはそういうバンドなんだよ」と言ってもらえて(笑)。確かに、俺もそういう気持ちでやってるしって思えたので、それをヒントに掲げることを1つのテーマにして書いてみようってところからスタートして、「俺らは何を掲げるんだろう? そうやな、ラックライフとして、これまで11年、12年、掲げてきたことって、すげえ理想で、きれいごとで。甘っちょろいことを、すごく本気で歌ってきたバンドだな」って思いがすごくあったので、それを改めて掲げるという気持ちで書き上げました。
サビの歌い方が今までにないくらい力強くて。
PON:クセ全開ですよね(笑)。そこはもう、らしさを出していこうってやっているうちに、どんどん力強さを出したくなった。ラックライフって引っ張っていくと言うよりは、共に歩んでいくバンドなんじゃないかと思っていて。それは僕がそういうタイプの人間なので。「俺について来いよ」ってタイプの人間ではないんですよ。でも、男にはやらねばならない時があると思いながら、歌詞を書いて、ここで掲げて、遠くからでもみんながラックライフを見つけられるように――今まで出会ってきた人も、離れてしまった人も含めて、もう1回、ラックライフを見つけてもらって、安心してもらえるような、勇気を与えられるような歌を歌いたいと思いながら歌ってたら、どんどん、うおーってなってきて、ちょっとやりすぎかなと思ったんですけど、周りからは「いいよ。そのままやろう」って言ってもらえたので、こういう仕上がりになりました(笑)。
ライブのラックライフに近いのかな。
PON:生々しい感じは、ライブに近いかもしれないですね。
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New Mini AlbumUnbreakable
2019年12月18日(水) New Mini Album "Unbreakable" リリース
<収録曲>
01.理想像 ◀︎リード曲
02.サーチライト
03.Don't you say
04.朝が来る前に
05.けんけんぱ
06.Ravers
BARE-5003 / ¥2,000(税抜)
今までいろんな事がありました。
特にここ1年はびゃーっと目まぐるしく環境が変わって、不安になって、怖くなって、歩む事も、歌う事も怖くなりました。
それでもやっぱり歌いたいし、歌すきやし、夢があるし、負けたくないし、その諸々を一緒に背負ってくれる人たちと「再出発」の気持ちです。
ラックライフがずっとずっと歌ってきたのは、傷ついても、ボロボロになっても、前を向く事、生きる事。
聞いてくれる人の一番近くにいられる歌を歌いたいです。
「Unbreakable」決して折れない旗を「Raise The Flag」全国各地へ掲げに行くのだーーーーーー!!!!!!!」
PON(Vocal / Guitar )
MOVIE
『ラックライフって引っ張っていくと言うよりは、共に歩んでいくバンドなんじゃないか』インタビューでのPONさんのこの発言、もうまさにその通りすぎてめちゃめちゃに頷きました。ラックライフの音楽はヘコんだとき、ちょっと躓いたとき、ふっと気付くと隣で温かく励ましてくれるような存在です。元気と勇気を補充してくれますよ。いま、少し疲れたなあ…っとなってしまっている方にぜひ、聴いてほしい!
PROFILE
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高校の同級生PON(Vo&Gt)、ikoma(Gt&Cho)、たく(Ba)、LOVE大石(Dr)の4人からなるギターロックバンド。 前身バンドを経て2008年にバンド名をラックライフに改名し、大阪・東京を中心に本格的な活動を開始。2016年 TVアニメ『文豪ストレイドッグス』のエンディングテーマ「名前を呼ぶよ」で待望のメジャーデビュー。
2019年8月8日株式会社ユークリッド・エージェンシーに事務所移籍。
移籍後初となるMini Album「Unbreakable」のリリースが12/18に決定し、2020年には7大都市8会場ツアー <ラックライフ TOUR 2020「Raise The Flag」>の開催が決定。
人と人との繋がり、ライブハウスとオーディエンスへの思いを真っ直ぐに歌い続けてきた「大阪・高槻」という小さな街で育ち 地道に歩んできたラックライフ。
バンドの13年目の生誕祭となる2020年3月には自身最大規模となる初のホール公演・渋谷公会堂(LINE CUBE SHIBUYA)での単独公演も決定した。OFFICIAL ACCOUNTS