未知なる可能性は今、確たる根拠を後ろ盾にしながら飛躍的な進化を遂げようとしている。デビューアルバム『0 -ZERO-』を7月24日に発売したのち、8月1日にFC限定での初ライブを行った新バンド・極東ロマンス。彼らがここから臨むのは全カ所がソールドアウトになっているという初東名阪ワンマンツアーであり、急遽10月より決定したという都内での3ヶ月連続ワンマン公演『3 Steps to the ultimate BLACK』だ。そんな未来を前に、ここでは初ライブを経て勇猛果敢にこの先へと向かおうとしているリアルタイムな極東ロマンスの発する真摯な言葉たちと、その初ライブの模様を同時にお届けすることとしたい。
“極東ロマンス”という名の壮大で新たな物語は、この渋谷RUIDO K2の舞台上から堂々と紡ぎだされていくことになった。
「はじめまして、極東ロマンスです。僕らはずっとこの日を待ってました。春にこのバンドが始動してから今日に至るまで、とにかく内にこもって楽曲制作とかリハーサルばかりの日々だったけど、やっとみんなに会えて嬉しいです。
やっぱりね、極東ロマンスとしての初ライブはどうしてもこの“CLUB EUCLID(ファンクラブ)”の皆と迎えたかったし、僕らにとっての原点であるライブハウスから始めたかったんですよ。」
新バンドでの初ライブでありながらも、このときフロントマン・Shindyが「ただいま戻りました」と発した理由は、そもそも昨年11月にAnli Pollicinoが活動終了となった時点まで遡る。なんでも、その時点では全てが白紙状態だったそうなのだが、そこから少しの時間を置いてボーカル・Shindyとリードギター・琢磨、リズムギター・Yo-1の3人は心機一転をはかり新バンド結成へと始動。そしてベースに柳山ユウト、ドラムにTetsufumiを迎えることで、この極東ロマンスを今春、いよいよ動かし始めたのだ。
ちなみに、今回のライブは彼らが所属する事務所のファンクラブ“CLUB EUCLID”の会員限定で、チケットは即完売。ただでさえ天候的にも猛暑が続いている中で、多大なるポテンシャルを持った新バンドに対する期待に胸を膨らませる観衆たちで場内は満員御礼となり、この日のライブが冒頭から熱くヒートアップしたのは言うまでもないだろう。
ライブの口火を切ったのは4月末に極東ロマンスの初音源として発表された1st 配信シングル「Black Rain」にほかならない。あらかじめメンバー全員でテーマを綿密に話し合い、<黒く染まれ 黒く染まれ その闇を纏え>というサビがしたためられることになったというその印象的な歌詞。そこに各人の放つ激烈でエモい音像がこれでもかと響きわたる中、それこそ漆黒で統一された衣装を纏いながら激しくも華麗なパフォーマンスを展開していく。その躍動感は、いかに極東ロマンスがグラマラスで刺激的なロックバンドであるのか、ということをいきなりながらも力強く証明していたものと思われる。
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