井上陽水は天才です。70年代から2010年代の今に至るまで、曲が枯れることのない、大天才です。しかもシャベリもおもしろい。 しかし、ミュージシャンがイマイチ。 陽水氏は、そこにはあまりこだわりはないのかもしれない。 おまけに、オーチャードホールのミキサーも悪い。 ヘッドフォンで音聴くんじゃなくて、自分の直耳で聴いて調節しなきゃ。 それと、年齢層が高かったからか、会場内に結構な加齢臭が漂っていたのも初めての経験だった。

全編が「MAGIC」というべき一夜だった。 ブライアンとロジャーのスピリットとテクニックはそのまま健在どころか、重厚感を増しているところに、現在のロックボーカルで、もはや頂点に立っていると言っても過言では無いアダム・ランバートの夢の饗宴。 決してフレディー・マーキュリーでは無いアダムのボーカルによるクイーンの名曲の数々が、新たなエネルギーを持って、満を持して蘇ってきた。 武道館が一体となって、盛り上がり、涙し、日常から隔絶されて、壇上のメンバーとわれわれだけが完全共有した濃密な2時間強。