1970年代前半に彗星のように現れた女性ヴォーカリストは健在であった。
アルバム収録の2曲で幕を開け、4thシングル、3rdシングルを並べた。優れた3人のミュージシャンをバックに、懐かしい曲の連続で1部を終えた。2部は第5回ポプコン入賞のデビュー曲「ひとりぼっちの部屋」からスタート。ライブハウス内は手拍子に包まれた。松原正樹、南部昌江にまつわるトークと、その交流から生まれた曲を披露。本人が「この曲はめったに歌わないの」と話した、1stアルバム収録の「違うあなたに」を聴けたことは価値が大きい。カーペンターズのカバー「青春の輝き」をささやくように歌った後、「忘れたいのに」を熱唱。2ndシングル「想い出が多すぎて」で観客を魅了し本編を終了した。アンコールは最新シングルの「会者定離」で締めくくった。
卓越した歌唱力は、あの時代の活躍を蘇らせ、これからの可能性を感じさせるライブであった。