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2Kさんのレビュー
「MV曲だけやります」と、あからさまにセットリストを表明したツアータイトルは、考えようによっては、はなっからネタバレか?とも思えるが、終始あっけにとられるライブだった。何度も観て、聴いてきたはずのMV曲たちの強さは、ヤマサキセイヤが言った通り、これでもかメインディッシュ。頭では分かっていても、実際に提供されることが、これほどまでに強靭だとは思わなかった。
東名阪、いずれもクアトロという相応な密集密閉密接度で、より楽曲の濃厚さと熱量が凝縮した気もする。「こみゅ力」「華麗なる飯」「NO MORE 劣化実写化」「GALAXY」といった身振り手振りの楽しさが加わり、緩急でいうところの急!急!急!によって、身も心も大きく揺さぶられる中、ファイナルにしてようやく聴くことができた「ひと言」の真髄がたまらなかった。彼らだけでなく、私たちもまた同様に時を経たからか、「泣くな親父」への流れも絶妙に感じた。リリースしたばかりとは思えない、セルフオマージュ「ネコカミたい」の猛攻は、大袈裟でもなんでもなく、これからずっと末永く体感したい。ぶち上がったボルテージのまま、「冷めない夢」そして「わかってんだよ」。キュウソネコカミに心をつかまれてやまない理由も明らかになった。
渋谷、梅田を経て、ここ名古屋で披露される曲は、事前に推測することができた。ネタバレを踏みたくない自分が、あらかじめセットリストを把握するのは稀なことだが、確実に聴ける喜びがあった。この企画だからこそ成立した気持ちだと思う。
ひとつひとつに個性と表情があるMV曲。そこに私たちの生き様が重なる。事前アンケートによる楽曲投票は、自分とキュウソネコカミとの今までを振り返るための良い機会となった。「10周年は通過点」・・そう言ったのは、この企画を提案したヨコタさんだっただろうか。心強い言葉をありがとう。キュウソネコカミと刻む瞬間は、どれだけあっても飽和状態に達しない。今秋発表のフルアルバム、ワンマンツアーにも期待が高まる。
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- 2024/07/13 (土) 18:25
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