imaさんのレビュー
山本彩自身初のロックフェス出演。
開演は手拍子をしながら笑顔で登場。
しかし次の瞬間には数秒前とは別人の様に真剣な眼差しでアコギを持ち、 挨拶がわりに1曲目「喝采」のイントロをかき鳴らす。
ファンからは歓声が上がり、初見のオーディエンスからは「おいおいマジかよ」「アイドルじゃないの?」と聞こえてきそうなどよめきが起きていました。
持ち歌の中でもトップクラスのカッコ良さを魅せるこの曲。
ガッツリとオーディエンスに合いの手を入れさせ、力強く歌い上げていました。
ギターをエレキに持ち替え、続く2、3曲目は自身で作詞作曲をした「レインボーローズ」「JORKER」とロックナンバーが続く。
この2曲ではレスポールとホワイトファルコンを使い分けていて、音への拘りが垣間見れた気がします。
また彼女にしては珍しく歌詞を間違える場面もあり、緊張していることも感じ取れました。
そして4、5曲目。
しっとり聴かせる「サードマン」とCMでもお馴染みの「ひといきつきながら」
普通ならば「盛り上がりが冷めてしまうかもしれない」と避けるであろう選択。
ロックフェス初出演でこの選曲は、間違いなく彼女が仕掛けたひとつの勝負だったのだと思います。
手拍子もなく、一人一人に語りかけるような歌声はロックファンにとって新鮮に聞こえたのではないでしょうか。
傾き出した太陽の光と心地良い潮風を感じながら聴き入ってしまいました。
ここからは彼女のライブの真骨頂であり「一緒に遊んでください」の言葉が指し示すとおり、オーディエンスが参加して遊べる楽曲がラストまで3連続!
「彼女になりたい」は終盤に合唱、「スマイル」と「Let's go crazy」では、所狭しとステージを駆け回り、オーディエンスを煽りに煽って声をあげさせ、タオルを振り回す!!
この一体感!!
初めてこの曲を聴いた方も楽しめたのではないでしょうか?
自分の周囲だけでも様々なアーティストのグッズタオルが乱れ回っていて、なかなかに壮観でした。
終わってみると前半5曲は「山本彩なりの自己紹介」、後半3曲は「さらに距離を詰めたい、一緒にライブで遊びたい!」という思いが込められていたのかな?と感じました。
また、限られた時間の中でのMCでは申し分程度の自己紹介と見に来てくれたオーディエンスへの感謝の言葉、そして深いお辞儀。
これは盛り上がりが最高を迎えた終演時も欠かさず、さらにオーディエンスの体調を気遣う言葉もかけてくださりました。
サポートバンドのチームSYの皆さんが奏でる音楽と一体感も素晴らしく、全員が笑顔で気持ちよくステージを楽しんでいるのがヒシヒシと伝わってきました。
まだソロアーティスト山本彩とチームSYのステージを見たことがない方、もし今後フェスで彼女の名前を見かけることがあったら1度見ていただきたいです。
興味本位や時間つぶしがてらでもいいと思います。
目と耳の肥えたロックファンから見れば、まだまだ未熟な部分もあるかもしれません。
でも機会があれば、言い方は悪いかも知れませんが騙されたと思って見てみてください。
きっと驚くのではないかと思います。
想像してたのとは違う「ソロアーティスト」山本彩のパフォーマンスに。
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- コメント 1
- 2018/05/30 (水) 12:42
私はabemaTVで観ただけですが、筆者が心配されているような未熟さとは無縁の、プロフェッショナルなステージでした。確かに歌詞が変だったり声が裏返りそうになったところもありましたが、あれは緊張のためというより、興奮による入れ込み過ぎが原因でしょう。ですが、短い時間枠で冒頭から観客を乗せるためには最初から飛ばす必要がありますから、入れ込み過ぎは悪いことではありません。それらを含めて、山本さんはロックフェスでの振る舞い方を良く分かっているようです。ステージを重ねることにより、日本を代表するロックシンガーとして認知されることも可能だと思いますが、アイドルと兼業するご本人に、はたしてその気があるのでしょうか。
ゲスト
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