ライブレポート
観なかったら損する! 佐野元春、35周年ツアー開催中!!
2016/03/09
昨年12月5日に京都からスタートした、全国11ヶ所12本のデビュー35周年アニバーサリーツアー真っ最中の佐野元春。ツアーは前半を終え、いよいよ折り返し地点に差し掛かった。
アニバーサリーコンサートの会場に集まったのは10~20代の若い世代に加え、中高生の頃に佐野を聴いて育った40~50代の元ティーンエイジャー&ロックンロールキッズたち。開演を告げる影アナに歓声が上がり、場内BGMに合わせて大きな手拍子が起きる。これから始まるロックショーを今か今かと待ちわび、早くも会場内はヒートアップ! ステージに佐野やメンバーが現れると、客席は総立ちで迎える。
コンサートは佐野元春が走り続けてきた35年を総括するオールタイムヒッツ構成。それゆえにサポートバンドのコヨーテ・グランド・ロッケストラも、佐野の35年のキャリアから集められた盟友とも呼べる精鋭メンバーが結集した。80年代のTHE HEARTLANDからギターの長田進。90年代のTHE HOBO KING BANDからはキーボードのDr.kyOnに、サックスの山本拓夫。そして00年代以降のTHE COYOTE BANDから小松シゲル(Dr)、深沼元昭(Gu)、高桑圭(Ba)、渡辺シュンスケ(Key)。そこにスパム(Perc)、西村浩二(Tp)が加わった9人編成だ。
この豪華過ぎるメンバーで、80~90'sのナンバーから最新アルバム『Blood Moon』収録曲まで次々に演奏していく。それぞれ発表された時期が異なる曲にも関わらず、コヨーテ・グランド・ロッケストラにかかると、すべてが同じ時代の曲のように一線に並んで違和感なく聴こえる。そんな盤石の演奏に支えられ、佐野はアコースティックギター、黒のレスポール、赤のストラトキャスターと持ち替え、時にはキーボードスタンドに座ったり、時にはハンドマイクでステージを走り回ったりと全身全霊をぶつけたパフォーマンスを繰り広げ、集まったオーディエンスに応える。佐野本人も熱いが、向かい合う客席も異常な興奮と熱気で充満! 途中、何度か“みんな凄いね! 大丈夫?”と佐野が心配して声をかけるほどだった。
佐野の通常のコンサートではアルバム曲をライヴ用にアレンジし直して歌われることが多いが、このツアーではできる限りオリジナルのアレンジに近い形で演奏されている。特に80年代のヒット曲が演奏されるコーナーになると、古くから応援してきたファンは大喜び! 「約束の橋」(1989)のイントロが奏でられるや、感極まって泣き出す元ティーンエイジャー&ロックンロールキッズが続出していた。
“30年以上前、全国の色んな街に行ってこの曲をやると、その街のキッズ達が気にいってくれてました。それを見て、ああ、この曲を書いてよかったなぁと。この曲をずっとそばに置いてくれてた人もいたと思います!”と話し、歌ったのは1982年にリリースした4枚目のシングル「サムデイ」。イントロのキーボードが流れた瞬間、泣き出す人、ニコニコと笑い出す人、怒号のような歓声をあげる人と、さまざまな感情や表現が場内を錯綜する異様な空間に。サビでは、全員が右手を掲げて大合唱。夫婦やカップル、友だちと連れ立って来た人、単独で参加した人。互いの面識はなくても、みんながひとつになれて、同じ時代にタイムスリップして、全員がティーンエイジャーやキッズに戻れてハッピーになれる。まるで巨大な同窓会に来たような30数曲、3時間超のロックンロールナイトであった。
35周年アニバーサリーコンサートはこのあと、佐野の誕生日でもある3月13日(日)の大阪、26日(土)&27日(日)の東京と続く。“すごいロック・ショーだよ。観なかったら損する……何か安っぽい言い方になっちゃったけど(笑)、でも、ひとことで言うと、本当にそういうこと。特にこの35周年のしめくくりとなる、東京国際フォーラム2デイズ。何かすごいロック・ショーを観たいと思ったら、ここに来るのがいちばんてっとり早い。本当にすごいから!”と語るように、ツアー千秋楽の東京公演はどえらいことになりそうだ。
また、佐野元春はTBSテレビ『オトナの!』にトークゲストとして出演する予定となっている。放送は3月16日(水)25:31より。
(C)DaisyMusic
「佐野元春 & THE COYOTE GRAND ROCKESTRA 35周年アニバーサリー・ツアー」
3月13日(日) 大阪 フェスティバルホール
3月26日(土) 東京 東京国際フォーラム ホールA
3月27日(日) 東京 東京国際フォーラム ホールA
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