ひらりさん 彼女までの距離は僅か3メートル! ステージから2列目中央の神席で、極上のR&Bを堪能してきました。 2018年に「UK発のR&Bはアメリカでは売れない」とのジンクスを打ち破り、全米のR&Bチャートのみならず総合チャートでもTOP10入りした彼女の出世作 "Boo'd Up" は、2月に開催された第61回グラミー賞でも見事に最優秀R&B楽曲賞を受賞しており、この来日公演は会場や宣伝の規模においてすでに「大物」扱い。手荷物の持込み制限も設けられた入場時からして、私の期待を煽るには十分過ぎる条件が揃っています。 このジャンルのライブは残念ながら日本では受けが悪く、チケット販売も苦戦することが常なのですが、今夜は若い女性客を中心に多くの観客が国際フォーラムに集まり、開演を待つ客席の興奮がこれ以上膨らみきれなくなった頃、ついに場内が暗転してライブは幕を開けました。 アルバムのジャケ写で披露した大人びたビジュアルではなく、トリプルテールの髪型に、身を包むウェアはオーバーサイズとその出で立ちは今どきの若者そのもの。ステージ上を所狭しと動き回って客席を煽るパフォーマンスは初々しさに溢れていて、まるで「ステージで歌うことが楽しくて仕方ないわ」という彼女の気持ちをぶつけられているかのよう。 「私にとって特別な曲になったの」との紹介から披露された "Boo'd Up" では、ステージから降りて客席で歌うファンサービスもあり、客席の興奮は収まりようがありません。 そして、その歌声は紛れもなく一流R&Bシンガーのそれ。 前述したパフォーマンスに反し、終始落ち着いて安定しているばかりか憂いをも帯びており、中低音域を軸にして自由自在に曲を解釈していくのだから本当に恐れ入りますわ。CDで聴く音ももちろん素晴らしいのですが、極上のナマ歌が与えてくれる感動はそれを遙かに上回り、わざわざライブに足を運ぶ意味を改めて思い起こさせてくれた若き才能に酔いしれた夜でした。 いいね! 7 コメント 0 2020/10/23 (金) 09:44