ひらりさん 折坂悠太の音楽を初めて聴いたのは「CDショップ大賞2019」の二次ノミネートに彼のアルバム『平成』が選ばれた時。個性的で秀逸なメロディと歌詞センス、そして何よりも存在感のある歌声に衝撃を受け、CDから飛び出したこれらの楽曲がライブでどう化けるのかと、早々に今夜のチケットを入手したことは言うまでもありません。更には、ライブが行われる「東京キネマ倶楽部」は前々から行きたいと思っていた会場で、元グランド・キャバレーという昭和の面影を色濃く残す建物で聴ける大好きな音に、私の期待は膨らむ一方なのです。 小さな舞台狭しと配置された各楽器に担当するメンバーがスタンバイしたのは開演時間ちょうどのこと。ラジオのチューニングによる不協和音からドラムロールが流れ、ライブがスタートしました。今夜の演奏は「合奏」とするバンド編成がメイン。トランペットやフルート、サックス演奏者を加えたり、折坂1人による弾き語りコーナーがあったりと、その内容はバラエティに富んだ印象。多彩な音が曲ごとに異なる調和を聴かせてくれて、演奏だけでも私の満足度はとても高まったのですが、ヴォーカルの存在感はこれらを凌駕するほどの迫力で圧倒されたと言わざるを得ません。CDでも十分に素晴らしさを感じられたのですが、ライブで直撃されるとその説得力たるや筆舌に尽くし難く、改めて「折坂悠太恐るべし」を心に刻まれた夜になりました。 ライブ終盤、「色々な事件とかニュースを見て、気持ちをすり減らしている人が一杯いると思いますけど、こんなクソみたいな場所でも愛を持って僕はまだここで生きようと思っています」との(2日前に発生した児童殺傷事件に言及したと思われる)MC。音楽と離れたこんな一面にも、彼を好きになる要素が散りばめられています。 いいね! 10 コメント 0 2020/10/23 (金) 10:16