第51回
『何だ、これは?』と思わせる木島ユタカに注目!
2017/05/11
短いライブではあったが、「面白い」と私は思ったので、チェックしておくことにした。彼の名前は木島ユタカで、そのときに配っていたパンフレットの〈プロフィール〉欄にはこんなふうに紹介されていた。
〈兵庫県伊丹市出身。6月7日生まれ、身長178㎝、双子座、B型。
まったくその通りだ、と思う。
「新曲『十年経てば』はいい。これで木島ユタカはいける!」
木島ユタカは今のところインディーズ・アーティストらしい。ファースト・ミニ・アルバム「和のこころ」をリリースしていて、ライブもあちらこちらで行っている。評判を聞きつけた人たちから声をかけられたりしてラジオ、テレビにもちょこちょこ顔を出しているが、つまり、それだけ人に注目される何か魅力があるということだろう。
私も「和のこころ」というミニ・アルバムを聴いてみたが、なかなか味わい深いものがあった。「春の小川」「朧月夜」「紅葉」など誰もが知っている唱歌などをカバーして新しい命を吹きこんでいるし、去年一世を風びした「海の声」も自分なりの持ち歌にしてしまっているあたりは、歌い手としても優れているようだ。
このミニ・アルバムを聴いて私が思ったことは、どんなオリジナル曲を作って、これから歌っていくのか、ということだった。これは私の持論だが、いい曲、イコール、いい歌ではない、と考えている。いい曲はそれにふさわしい歌い手に歌われて初めて“いい歌”となってたくさんの人たちのハートをつかむのだ。
その意味では、木島には木島にしか歌えない“いい曲”を作ることができるかということだ。彼にしか作れない“いい曲”を彼が最大限に生かして“いい歌”にする。もしこれができたら、彼はすごいアーティストになるだろう。
そんなふうに思っていたので、5月1日(月)7時過ぎに渋谷のライブハウス・エッグマンに行ってみることにした。対バン形式だったので25分程のライブで5曲ほど歌っただけだったが、正直に言って、これで十分だった。5曲の中に彼にしか歌えない「十年経てば」という“すごい歌”があったからだ。
内容は、男親が娘のことを案じている。10年経ったらこの娘はどうなっているのだろうか?と。誰かと恋をしているのだろうか? そのときは父としても止められないだろうか……。娘を想う父親の心情が実に深く描かれているのだ。
そして、それを木島が情感たっぷりに歌っていて瞬時にハートを鷲づかみにしてしまう歌力があるのだ。この「十年経てば」を聴いて、「これはいける!」と私は確信した。
7月上旬には「十年経てば」を含めた7曲入り予定のセカンド・ミニ・アルバムがリリースされるらしい。タイトルは「和のこころ2~ケルティック編~」。早く聴きたいものだ。
たまたまライブハウスで久しぶりにお会いした作詞家の及川眠子さんと、ライブの後に飲みに行った。「十年経てば」の作詞は彼女だとか。彼女も木島の才能に惚れ込んで本格的にプッシュするということ。
「木島ユタカはいい」と私は断言する。あとはあなたの目で、耳で、心で確かめてみてほしいものだ。6月1日(木)、エッグマンの〈2nd album preview Live〉をチェックしてみて下さい。
(文/富澤一誠)
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