第30回
11年目を迎えた〈フォーエバーヤング2016〉大野真澄、大橋純子、堀内孝雄の3人によるコラボレーションが最高だった!
2016/06/23
私的なことで恐縮だが、6月19日(日)午後4時半より7時過ぎまで、長野県須坂市にある須坂市文化会館メセナホール大ホールで、〈富澤一誠プロデュース フォーエバーヤング2016~歌とトーク満載のフォーク・コンサート~〉が行われた。
冠に〈富澤一誠プロデュース〉とあるように、このイベントは私が自分の故郷・長野県須坂市で行っているもの。〈フォーエバーヤング〉は去年10周年を迎えた。
南こうせつさんと森山良子さんに来ていただき満員の大盛況で幕が閉じたとき、正直言って、私はほっとして肩の力が抜けてしまった。
一口に10周年といってもいろいろなことがあった。故郷の皆さんの期待に応えることができるのか、とプレッシャーを感じることもあった。しかし、無事に10周年を迎えることができたのも、お客さんの温かい声援があったからこそだった。毎回熱い拍手と温かい声援にどれだけ勇気づけられたことか。それが〈フォーエバーヤング〉をやり続けるエネルギーになったことは確かだ。
今年図らずも11年目をやらせていただくにあたり、10周年で完結したという想いがあるだけに内容をどうするのか?大いに悩んだ。11年目だから新規企画を打ち出してリニューアルするのかどうか?スタッフと共に考えた。その結果、現状維持というか、〈フォーエバーヤング〉の原点を守り抜こうと決めた。
それは3組のアーティストによる初めての組み合わせからなるオリジナルなコラボレーションということ。〈フォーエバーヤング〉は須坂発のオリジナルなイベントで、全国的にも類を見ないもの。今年もまたそんなオリジナルな〈フォーエバーヤング〉が行われた。
今年の出演者は元ガロの〈ボーカル〉こと大野真澄さん、紅一点の大橋純子さん、そしてアリスの〈ベーヤン〉こと堀内孝雄さん。3人共に40年を超えるキャリア・アーティストだが、大野さんと大橋さんは今回が初めて会うということで、まさに3人によるコラボレーションは本邦初ということ。
幕が上がり、恒例の私の挨拶の後、お三方をご紹介しての簡単なおしゃべりの後、さくまひできさんによる〈フォーエバーヤング〉のテーマソング「どこで暮らしていても」でコンサートはスタートした。
開演前にロビーコンサートで盛り上げてくれていたさくまさんだけに、お客さんは始めからノリノリでスタートした。〈フォーエバーヤング〉は本編だけでなく、開場前にホールのロビーを使ってさくまさんの〈ロビーコンサート〉とフォークのお宝資料を展示した〈フォーク資料展〉が設けられていて、会場の敷地に足を踏み入れた瞬間に学園祭のノリのようになっているので、始めからテンションが上がっているのである。
トップバッターは大野真澄さん。
サポートメンバーに太田美知彦さん、鈴木雄大さん、細井豊さんを迎えてのステージの1曲目は、ガロの「時の魔法」。3声のハーモニーは全盛時代のガロを思わせるほどの素晴らしさで、会場は一瞬シーンと静まりかえった。つまり、それだけハーモニーに驚いてしまったということ。
「美しすぎて」「君の誕生日」「個人的メッセージ」「吟遊詩人」ときて、ラストに誰もが知っているフォークソングの名曲「学生街の喫茶店」が始まると、会場はもう同窓会の雰囲気で、時は1970年代前半に一気にタイムスリップしてしまったかのようだ。
続いては大橋純子さんで、1曲目は「星に願いを」をしっとりと歌いあげて、いきなり歌でグイッとお客さんのハートを瞬時に鷲づかみにしてしまった。
「たそがれマイ・ラブ」「地上の星」「シルエット・ロマンス」では自身の大ヒット曲と中島みゆきさんのカバーを織りまぜてじっくりと聴かせてくれた。そしてラストは世界的なスタンダード・ナンバー「You’ve got a friend」できっちりとしめて、ボーカリストとはこういうものなのだ、と教えてくれたと言っても過言ではない。
ラストは堀内孝雄さん。
いきなり大ヒット曲「君のひとみは10000ボルト」で始まった。のっけから全開で大丈夫かなと心配したが、続く「遠くで汽笛を聞きながら」で聴かせて、「時の流れに」そして新曲「空蝉の家」へもっていくあたり、やはり百戦錬磨のベテラン・アーティストの味わいだった。そしてラストは、小椋佳さんとの共作による名曲「愛しき日々」で本編は幕。
アンコールは、〈フォーエバーヤング〉ならではの3組のアーティストによる、本邦初のコラボレーション企画。
今回は「風」(はしだのりひことシューベルツ)、「見上げてごらん夜空の星を」(坂本九)、そしてビートルズの「Hey Jude」をお客さんと合唱。1000人を超えるお客さんとアーティストたちが一体となっての大合唱は、まさに〈フォーエバーヤング〉ならではの醍醐味だった。
オーラスは恒例の「ふるさと」。それぞれの想いを胸に、こうして第11回目の〈フォーエバーヤング〉は幕を閉じた。
終了まぎわ、私は思わず言ってしまった。
「私は勝手に決めました。〈フォーエバーヤング〉は来年もやります」
熱い拍手と声援を受けて私は「やって良かった」と強く感じていた。ありがとうございました。
(文/富澤一誠)
2018/06/28
2018/06/14
2018/05/24
2018/05/10
2018/04/26