ズラリと並んだ彼らの代表曲が惜しみなく演奏された今回の来日公演は "Greatest Hits Show" と銘打たれた通り、ファンには垂涎ものの素晴らしい内容でした。 カーディガンズといえば「渋谷系洋楽」としてその音楽を認識していたため、あの繊細な音をどのようにライブで演奏するのだろうという興味をもって臨んだのですが、実際に直撃されたのはなんと正真正銘「ロックバンド」の音。紅一点のヴォーカルであるニーナ・パーションが繰り出す歌声は、女性特有の線の細さなど全く感じさせないほど声量に恵まれ、これにシンプルなアレンジながら確かな技術の演奏が力強く加われば、体は自然とリズムを取り始めようというもの。さらにスローテンポの曲では絶妙のバランスで浮遊感を湛えた音を展開し、聴いている我が身はまるで波間を漂っているかのようで、本当に気持ち良かったです。